当センター設立の趣旨
理事長 田中 莊司
(日本高齢者虐待防止学会顧問、日本大学客員教授)
平成4年12月、私たちは高齢者処遇研究会を設立し、国内初の全国的規模の家庭内高齢者虐待の実態調査を実施してわが国でも高齢者の虐待事象が存在することを実証、国民一般や関係行政機関当局に対し、社会的関心を払うよう喚起しました。
その後も民間研究助成団体等の協力を得て、高齢者の虐待発生構造の解明を目的に、施設内虐待を含む実態や社会意識調査を行うとともに、平成8年3月から、高齢者の虐待解消と防止を支援するために、日本高齢者虐待防止センターを開設し、虐待専門の電話や電子メールによる相談事業を開始、現在、電話相談は週3回18時間、電子メール相談は不断に実施し、個々の虐待相談への支援に努めてきました。また、公開シンポジウムを2回開催し直接社会に虐待問題の重要性を訴えてもきました。
こうした10年以上に亘る調査研究、相談、全国での啓発講演や保健福祉従事者等への研修講師及び、海外での国際会議、学会での研究発表活動等が評価され、WHO発行(2002年)の「健康と暴力に関する世界報告書」の「第5章高齢者虐待」編においても私たちの活動が紹介されています。また国内でも、本研究会が日本高齢者虐待防止学会の創設や高齢者虐待防止、養護者支援法の成立等に大きな役割を果たせたと確信しております。
平成18年4月からは、改正介護保険法により市町村は虐待防止事業を実施し、「高齢者虐待防止・養護者支援法」も施行されたため、虐待問題に取り組む立場にある市町村の担当職員や虐待対応ネットワーク事業に参加する関係機関の保健医療福祉従事者のための虐待に関する専門知識や対応技術の修得が緊要な課題となっております。したがって、本研究会が民間団体としての「自発性」「無償性」「公益性」「創造性」を活かして活動を展開する必要性が、ますます高まってくると思われます。
そこで、新しいメンバーの参画を得て、財政、組織、行政等との連携等を強化し、これまで集積してきた専門知識や実践技能を基礎に安定した活動を継続するため、NPO法に基づく法人格を取得、特定非営利活動法人日本高齢者虐待防止センターを設立することに致しました。
高齢者が人間としての誇りをいつまでも持ち続けられる社会の確立を目標に、これからも多くの人々の支援を得ながら、高齢者および養護者等の人権擁護に努めていきたいと思います。
私たちの活動方針
政策関連事業を行います。
- アドバイザー等の派遣(政策に関する提言、助言など) 調査・研究活動
- 他団体とのネットワーク構築とその運営
調査研究事業を行います。
- 高齢者虐待及び人権福祉に関する調査研究
- 情報収集と情報提供
- 予防、解決、回復プログラムの開発と普及
相談事業を行います。
- 相談活動(電話、FAX、電子メール、来所による相談)
- 当事者支援プログラム(グループワークなど)の実施
養成事業を行います。
- 研修会・交流会等の開催と講師紹介
- 養介護施設等の第三者評価
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